労働組合では、組合員同士の交流の場となるイベントやレクリエーションを実施しています。
新型コロナウイルスの影響で対面でのイベント実施が難しくなり、企画者の方々は頭を悩ませているのではないでしょうか。
組合員同士の交流が減少することで、労働組合への関心低下に繋がる恐れもあり、手段を模索しながら、組合員とのコミュニケーションが求められています。

そのような中、実は既にいくつもの労働組合が工夫を凝らし、オンラインでのイベントを実施しています。
たとえば、トヨタ自動車系列の全トヨタ労働組合連合会は、コロナ後の5月からオンラインイベントを開催し、組合員との交流を図っています。

また、オンラインイベントを支援するサービスも提供され始めており、オンラインでのイベント開催ハードルが少しずつ下がってきています。

そこで今回は、労働組合のコロナ禍でのオンラインイベント開催のメリットや、注意点などをまとめてご紹介します。

コロナ禍での労働組合活動の変化

コロナ禍での労働組合活動の変化

労働組合の活動は、新型コロナウイルスの影響を受け、変化を余儀なくされています。

労働組合の活動をサポートするj.union株式会社が実施したアンケートでは、実に95.5%の方が組合活動に停滞を感じているという結果になっています。
ほぼ全ての労働組合が影響を受けていると感じており、新型コロナウイルスの影響は大きかったといえるでしょう。

そして、新型コロナウイルスにより阻害されている活動で、最も多く回答を集めたのは、「レク活動、組合員向けイベント(30.4%)」でした。
これは「組合の内部会議」や「職場の問題解決、改善活動全般」を差し置いての結果となっています。
組合員の直接のふれあいに重きを置いて実施してきたイベントやレクリエーションが、新型コロナウイルスの影響により対面で活動出来ず、最も影響を受けているのです。

イベントやレクリエーションを通じた組合員同士のコミュニケーションが図れないと、労働組合全体の活動停滞にもつながります。
そこで、既に多くの労働組合が会議ではWEB会議システムを用いて、組合内会議、執行委員会、組合員へのヒアリング、労使協議などオンラインで実施しています。
労働組合による組合員向けのイベントやレクリエーションにおいても、オンライン開催のニーズが高まっていることがわかります。

アンケート参考:『新型コロナウィルスの影響に関するアンケート(サマリー版)

オンライン開催を検討している組合が増えてきている

組合イベントのニューノーマル

コロナ禍で、労働組合イベントのオンライン開催を検討している組合が増加する中で、全トヨタ労働組合連合会は、いち早くオンラインでのイベントを導入しています。
2020年には、家族参加型のオンラインイベントを3回実施していることがわかりました。

また、クレディセゾン労働組合では、オンライン料理教室やWEB飲み・WEBランチを実施しています。
WEB飲み・WEBランチは補助金を支給し、参加を促すことでのべ900名以上が利用し、組合員同士のコミュニケーション機会を創出しました。

その他の労働組合でも、イベントやレクリエーションのオンライン開催の動きが活発化しています。
組合員同士のコミュニケーションが減少して労働組合への関心が低下することを懸念して、各組合がオンラインへの移行を模索し始めているといえるでしょう。

労働組合の動きにあわせて、社内レクリエーションや労働組合活動に特化したオンラインイベントをサポートするサービスも誕生しています。
たとえば、愛知県に本社を置くSonoligo株式会社は、労働組合イベントや社内レクリエーションに特化した「団体向けオンラインイベント」を月額制で提供を開始しています。
これらのオンラインイベントサービスを活用することが、労働組合の交流を推し進めるポイントとなりそうです。

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オンライン開催のメリット

オンラインで、労働組合のイベントやレクリエーションを開催する際のメリットをまとめていきます。

一つ目は参加人数が見込める点です。
オンラインの魅力は何といっても、場所を選ばないことといえます。
本来は参加したくても、開催場所が遠くてどうしても足を運べなかった方も、オンラインであれば場所を選ばず参加できます。
オンラインでの開催であれば、事業所が全国展開でなかなか直接の交流が実現しなかった組合員同士のコミュニケーションも可能になります。
また、オンラインイベントは比較的拘束時間も短く済むため、参加へのハードルを低く出来る点もメリットでしょう。

二つ目はコスト・手間を抑えられる点です。
オフライン開催では、会場利用費、設営費、飲食を伴う場合はケータリング費用など様々なコストがかかります。
オンラインであれば、これらの費用はかからず、低コストでイベントの実施が可能です。
加えて少人数での運営が可能で、運営側のマンパワーを最小限に抑えて実施できるのはオンラインならではの魅力と言えます。

参加者にとってイベント参加のハードルが低くなり、運営側にとってはコストを抑制できる、とオンラインでのイベント開催は多くのメリットがあります。

オンライン開催の注意点

オンライン開催の注意点

多くのメリットがあるオンラインでの労働組合のイベント開催も、ただ実施するだけでは参加者の満足度を高めることはできません。
イベントの質によっては、逆に参加者の意欲が低下し、今後の労働組合運営に影響が出る可能性もあります。

オンラインでのイベント開催では、オフラインとは異なる視点で注意すべきポイントが存在します。

ここでは参加者の満足度を高めるイベント開催のためのポイントをまとめてご紹介します。

配信プラットフォームの検討

オンラインイベントの配信プラットフォーム選びは、イベントの成否を左右する重要なポイントです。
配信プラットフォーム選びを間違えると、開催途中でシステムがダウンしてしまう、映像がうまく流れないなど、イベントの質が一気に落ちてしまいます。

参加人数やコンテンツ内容によって、最適な配信プラットフォーム選びのポイントは変わってきますが、ここでは代表的なシステムをご紹介します。

一つは、ビデオ会議システムの『Zoom』です。
Zoomは、同時に最大1,000名が参加可能なビデオ会議システムです。
ブレイクアウトルームを設定することで、双方向のコミュニケーションも可能で、参加者同士の交流を行うコンテンツも設定することができます。
イベントの目的の一つである、組合員同士の交流をオンライン上で行えるシステムです。

もう一つは、YouTubeのライブ配信サービス『YouTube Live』です。
『YouTube Live』は無料で利用可能で、視聴者ともリアルタイムで交流できます。
また、配信動画は保存期間の定めなく、無期限で保存できるため、イベント不参加の方も後、配信動画を確認することができる点は魅力の一つといえます。
ただし、『YouTube Live』上で参加者同士の交流は難しく、イベントの目的である組合員同士の交流は限定的になります。

その他にも数多くの配信プラットフォームが提供されています。
イベントのコンテンツ内容に応じて、最適な配信プラットフォームを選択しましょう。

また配信するための環境・機材を整えることも重要なポイントです。
インターネット環境をはじめ、撮影用のカメラやマイク、照明などを整備することでコンテンツの質は格段に向上します。
最初はコストがかかりますが、二回目以降も継続して利用できる備品ですので、良いコンテンツを届けるためにしっかりと準備しましょう。

運営側で準備が難しい場合には、オンラインイベントの運営をサポートしてくれる企業もあります。

配信プラットフォームをしっかりと準備することで、滞りなくイベントを行い、参加者の満足度を高めていきましょう。

MC・ファシリテーターは超重要

オンラインイベントでは、MC・ファシリテーターもイベントが成功するか否かを決める重要なポイントです。

オフラインのイベントであれば、イベント会場に足を運ぶまでに気持ちが高揚し、その場所特有の空気感を味わったり、参加者同士で待ち時間の会話を楽しめるメリットがあります。

しかし、オンラインイベントの場合、ほとんどの方が自宅から一人でイベントに参加するため、会場に向かう時のワクワクした感情を持ちづらいのではないでしょうか。
また、パソコン画面に向き合いながら日常の延長線でイベントに参加するため、オフラインイベントほど気持ちが高揚しづらい点がデメリットです。

オンラインとオフラインのイベントの違いを考慮すると、MCやファシリテーターがいかに空気を盛り上げられるかが重要になります。
オフラインのときと同じレベルに、参加者の気持ちを高めるために事前準備を怠らず、参加者同士でコミュニケーションをとれるような仕掛けをしていく必要があるでしょう。

参加者とのコミュニケーションを心掛ける

参加者とのコミュニケーションもイベント成功のために抑えておきたいポイントです。

オンラインイベントの場合、運営者側からの一方通行なコミュニケーションになってしまいがちです。
双方のコミュニケーションが不足してしまうと、本来のイベントの目的である組合員同士の交流ができず、参加者の満足度も十分に得られないかもしれません。

オンラインでの労働組合イベントでは、運営者側の一方的な発信にならないよう、意識的に参加者とコミュニケーションを取るようにコンテンツを作りましょう。
例えば、数名でのグループワークを取り入れたり、配信プラットフォームの機能にあるチャット機能を用いて双方向のコミュニケーションを図ることができます。

オンラインでのイベントであっても、相互でコミュニケーションをとることで参加者の満足度向上が期待できます。

イベントの録画を忘れずに!

オンラインでのイベントでは録画も忘れずに行いましょう。
当日、参加できなかった方に後日、録画した動画を配信することでフォローが可能です。
またイベントの雰囲気を知ってもらうことで、次回イベントの参加率向上が期待できます。

オンラインでのイベントで用いる配信プラットフォームには、録画機能を有するものも多く、運営側で手軽に録画できるのも良さの一つです。
録画した動画のリンクを共有することで、簡単に配信することができます。
動画の保存も容易で、手軽に過去の動画を探せるのも魅力です。

オンラインイベントの録画を行い、共有することで、イベントに参加できなかった方の満足度も向上させましょう。

まとめ

コロナ禍では、今までのオフラインイベントに加え、労働組合独自のオンラインイベントを行うことが求められています。
オンラインイベントの方が、参加のハードルは低く、より多くの組合員に参加をしてもらうチャンスでもあるでしょう。
コロナ禍でもオンラインでのイベントやレクリエーションを通じて、組合員同士の交流を活発にし、活気ある労働組合の運営に繋げていきましょう。