2020年以降は新型コロナウイルスの影響もあり、インターンや会社説明会、面接などの選考過程を全てオンラインで実施する企業が増え、学生とリアルな接点が減少しています。
そのため、内定者フォローに頭を悩ませている企業も多いのではないでしょうか。

新卒採用を行う企業の8割以上が、学生の内定辞退を経験しているとされ、実に全体の7割以上が内定者フォローとして内定者懇親会を取り入れています。
内定者懇親会の満足度次第で、内定辞退の減少や、入社後の新入社員のモチベーションアップなど効果が期待できるためです。
そこで今回は、内定者懇親会の実施目的や、開催時期、おすすめの施策などをまとめてご紹介します。
新型コロナウイルスの影響で、オンラインの内定者懇親会も増加しているため、オンラインならではの新たな施策検討についても解説します。

内定者懇親会の目的

内定者懇親会の目的

新卒の内定辞退を防ぐために行う内定者フォローの一つが、内定者懇親会です。
内定者懇親会は、内定者に自社理解を深めてもらったり、内定者同士の結束を深めてもらったりすることを目的に行います。
まずはじめに、内定者懇親会を実施する目的について解説していきます。

社風・組織風土を体感する

内定者懇親会を実施する一つ目の目的は、内定者に自社の社風や組織風土を体感してもらうことです。

内定者は「入社後に活躍できるか」という不安とともに「入社後すぐに会社に馴染むことが出来るかな?」という不安も抱えています。
内定までの選考過程で、面接官や先輩社員と接し、社風を感じる機会はあったとしても、選考途中では「採用されたい」という思いが強くなるため、学生は会社に自分を合わせようと頑張りすぎてしまうケースもあるでしょう。
たとえば、営業系の会社で賑やかな社風の選考を受ける際は、いつも以上に活発なキャラクターで振舞おうとしてしまう学生もいるということです。

そこで、学生が素の状態で先輩社員とコミュニケーションをとれるよう、「先輩社員と人間関係を築く機会」という内定者懇親会を取り入れる企業が非常に多くなっています。

また新型コロナウイルスの影響で、企業へ足を運ぶ機会が極端に減少し、オフィスの雰囲気を感じづらく、先輩社員との接点もほとんど持てなくなっている状況です。

内定者に改めて社風や組織風土を体感してもらい、「会社に馴染めそう」と不安を解消してもらうためにも、内定者懇親会の実施は必須といえるでしょう。

内定者同士の結束を深める

内定者懇親会の二つ目の目的は、内定者同士の結束を深めてもらうことです。

選考中に面接官や先輩社員と接することで、内定先で働く人たちについて知る機会はありましたが、内定者同士のコミュニケーションの場は少ない場合が多いでしょう。

内定者にとっては、先輩社員の輪にうまく入れるか?という不安と同様に、これから一緒に働く同期と馴染めるかも気になる点です。
特に新型コロナウイルスの影響により、インターンや会社説明会がオンラインで実施されるようになってから、学生同士が繋がる機会が極端に減少しています。

なお、株式会社ラーニングエージェンシーが行った就活生向けの調査によると「他の内定者との人間関係を築く機会」を求めている学生が全体の55.7%となっています。

内定者懇親会を通して、内定者同士の人間関係を築くよう促し、内定者の不安をとりはらってあげるのが、内定者懇親会の大きな目的といえるでしょう。

参考:【内定者1,004人の意識調査】77.2%の内定者が入社に向けて不安を抱えていることが判明|新着情報|人材育成・社員研修

事業理解を深める

内定者懇親会の目的の三つ目は、内定者に事業理解を深めてもらうことです。

選考中に、会社概要や事業について何度も説明を行っていると思いますが、選考中は選ばれる立場なので学生は緊張していることも多く、面接官が伝えた内容が必ずしも十分に伝わっているとは限りません。
また、選考から時間が経っている場合や、複数の企業の選考に参加しているケースも多く、企業側が期待しているほど事業理解が深まっているとは限りません。

そのため、内定者懇親会の機会を利用して、改めて会社全体のことや事業について丁寧に説明を行うことが大切です。
この説明の場で内定者の不安を払拭しながら、入社後のイメージが湧くようサポートしていきましょう。

内定者懇親会で行われるコンテンツとは?

内定者懇親会で行われるコンテンツ

内定者懇親会で行われる代表的なコンテンツについてまとめました。

新型コロナウイルスの影響により、オンラインでの内定者懇親会を実施する機会も増えています。
従来のコンテンツに加え、オンラインならではの新しい取り組みも交えてご紹介します。

会社・事業内容の説明

内定者懇親会の代表的なコンテンツの一つが、会社や事業内容の説明です。

内定者懇親会では、代表取締役社長をはじめ役員が内定者への祝辞を行いながら会社の特徴や事業内容の説明を行うことが望ましいといえます。
社長や役員から直接、内定者に語りかけることで、特別感が増して、内定者の満足度を高めることができます。
どうしても社長や役員が参加できない場合は、事業責任者や各部署のリーダーなど、内定者の配属先に関わりのある社員から内定者へ語りかけるほうが有効です。
人事部と役員、各事業部の社員で役割分担をしながら、内定者懇親会の参加者をアサインしてください。

またオンラインでの内定者懇親会の場合、オフラインに比べると双方のコミュニケーションがとりづらい点に注意しましょう。
企業側の説明を一方的、かつ画面越しに聞くだけだと、内定者は集中が続かない可能性もあります。
極力、集中力を高めるために一つのコンテンツ時間を短くしたり、質疑応答の時間を設けるなどの工夫が必要でしょう。

また、ただの会社説明に終わるのではなく、役職者や先輩社員から内定者にメッセージを伝え、歓迎していることを伝えるのもポイントです。
内定者に期待している気持ちを率直に伝え、エンゲージメント向上に繋げましょう。

内定者の自己紹介

内定者の自己紹介も内定者懇親会の代表的なコンテンツです。
自己紹介は王道なコンテンツですが、工夫次第で自社らしさを演出することが可能です。

たとえば、パワーポイントで資料作成したり、ゲーム感覚でクイズを行ったりするなど、自己紹介プラスαのコンテンツを加えるのがおすすめです。

オンラインでの自己紹介をするときは、自宅にある自分の好きなものを見せたり、家族やペットを紹介したりするのも個性が出そうです。

また、あまりにも大人数で自己紹介をするのではなく、小人数に分けたグループで実施するほうが望ましいケースもあります。
参加者が多かった場合は、後日、全員分の自己紹介資料をまとめたり、オンラインの場合は録画した動画を共有したりするなど、グループ外の内定者を知る機会を作るとよいでしょう。
内定者同士の自己紹介を通じて、相互理解を深め、結束を高めていってください。

グループワーク

グループワークは、内定者同士の結束を高めつつ、入社後の働くイメージを醸成させる効果が期待できるコンテンツです。
グループワークは目的に応じて、様々な種類から使い分けするのがおすすめです。
ここでは3つのグループワークについて取り上げてご紹介します。

1. 作業型のグループワーク

決められたルールの中で、みんなで一緒に課題に取り組み作業を進めるグループワークです。
時間配分や作業の順序立てなど計画性が求められ、グループ内でのコミュニケーション、役割分担が求められます。
内定者同士のコミュニケーションを図る目的で有効なグループワークです。

2. プレゼン型のグループワーク

資料作成やプレゼンなどビジネススキルを体感できるグループワークです。
テーマは主に課題解決型、自由討論型、選択型の3つに分けることができ、思考力やプレゼン力を見るうえで有用です。

課題解決型:明確な答えのない課題に対する最適解を導き出す

課題解決型のテーマ例

・若者の選挙投票率を上げる方法は?
・残業時間を減らすための施策は?

自由討論型:課題解決型より抽象的な内容

自由討論型のテーマ例

・社会人に求められるスキルとは?
・無人島に3つだけものを持っていくとしたら?

選択型:複数の選択肢から回答を選ぶ

選択型のテーマ例

・フレックスタイムを導入すべきか否か?
・都会と田舎どちらに住んだ方が幸せか?

3. ビジネスケース型のグループワーク

プレゼン型に似ていますが、最終的に現実のビジネスでも通用するレベルで議論を深めていきます。
研修として用いられることもあり、内定者懇親会で用いるにはややハードルの高いグループワークです。

目的や課題に応じて、グループワークを企画し、内定者懇親会の中で実施してみましょう。

先輩社員との座談会

年次の近い先輩社員との座談会は、内定者の仕事理解を深めるために有効なコンテンツです。

就業経験のない内定者は、社会人として活躍するイメージが持てず、不安を感じています。
年次の近い先輩社員との会話を通じ、仕事の楽しみや苦労を知り、具体的なイメージをもつことができます

また、グループワークのオブザーバーに入ったり、食事会に参加することで先輩社員とのコミュニケーション機会が増え、更にイメージを持てるでしょう。
目的に合わせた先輩社員の人選を行い、内定者の仕事理解を深めていきましょう。

食事会

カジュアルな雰囲気で親交を深められる食事会も、内定者懇親会の代表的なコンテンツの一つです。

内定者同士の親交を深めるのはもちろんのこと、役員や先輩社員が同席することで、会社理解や仕事理解を更に深めることも可能です。
カジュアルな雰囲気の食事会では質問もしやすく、内定者が抱える悩みを解消することができます。

オンラインで実施する場合は、企業から軽食や飲み物を内定者の自宅に送ったり、食事の補助を支給したり、工夫を凝らして食事会を行っている企業も多いです。

食事会を通じて内定者の緊張をほぐし、お互い腹をわってコミュニケーションをとってみましょう。

内定者懇親会をおこなうタイミング・時期はいつ?

内定者懇親会をおこなうタイミング・時期

内定者懇親会はどのくらいの時期に行うのが効果的でしょうか。
競合企業の動きにも注意を払いながら、適切なタイミングで実施していきましょう。この章では、新卒採用活動のスケジュールに合わせて、実施タイミングの例をまとめてみました。

内々定を出した後

内々定者が一定の人数集まった段階で、内定者懇親会を実施するケースです。
内定を出した後から内定式まで何もしない場合、数か月間も期間が空いてしまうことで内定者の志望度は低下し、内定辞退に繋がってしまう可能性が高いです。
複数名に内定を出した段階で、内定者懇親会を開催すれば、内定者の意欲を高めることができます。

内定解禁日直後

内定解禁日直後、内定を出し始めた直後に内定者懇親会を実施するのも有効です。

内定を得た直後の学生は意欲も高まっており、内定者懇親会を通じて、更に志望度を高め、内定承諾の後押しに繋がることも期待できます。

また多くの企業が、解禁日から数日の間にどんどん面接や内定通知を進めてしまうため競合企業と学生の取り合いが発生します。
優秀な人材を囲い込むためには、競合企業の選考に学生が足を運ぶ前に、早めの段階で懇親会の場を設けることがポイントです。

内定式の当日

内定者の負担を考慮し、内定式当日に内定者懇親会を併せて行うケースも見受けられます。

内定式と内定者懇親会を同日に行うことで、内定者は卒論などの学業への負担を抑えることができます。
また、内定者懇親会をオフラインで実施したい企業の場合、同じ日に行うことで遠方に住む内定者の移動負担を減らすこともできます。

内定者が複数内定を得ている場合は、同日に複数の内定式に参加する可能性もあります。
そこで、一日がかりで内定式と内定者懇親会を行って、なるべく他の企業の内定式に参加できないよう促すことで、内定辞退を避けることもできるでしょう。

内定者の負担減少に加え、後々の内定辞退を避けるため、内定式と同日に内定者懇親会を行うことも必要といえます。

内定式後から入社日まで

内定式を終えた後も内定辞退の可能性は十分にあり、内定者フォローは必須です。

株式会社MyReferが行った調査では、4人に1人の学生が2社以上の内定を承諾し、最終的に1社へ絞る時期は内定式後と回答しています。

内定式後も、内定者懇親会を通じて、内定者フォローを行いましょう。

参考:複数社の内定承諾や意思決定時期に関する21卒就活生の実態調査レポート

内定者懇親会を実施する上で意識したいポイント

内定者懇親会を実施する上のポイント

内定者懇親会の効果を最大限高めるために、企画・運営時に意識したいポイントをまとめてみました。

役職者が参加する

役職者が参加することで「期待されている」、「大事にされている」と内定者に伝えることが可能です。
社長や役員陣はスケジュールが忙しい人が多いとは思いますが、なるべく積極的に内定者懇親会に参加して、内定者へ期待していると思いを伝えましょう。

オンライン・オフラインを使い分ける

新型コロナウイルスの影響もあり、対面での内定者懇親会の実施を心配する内定者、そして内定者のご家族もいらっしゃいます。
オンライン・オンラインでの実施を使い分けるとともに、オフラインでの実施は十分に感染対策を行い、出来る限り短い時間で行う工夫をしましょう。

参加する既存社員の選定

年齢が近い、自社の社風に近いなど、内定者に好印象を与える人選を行いましょう。
また既存社員も忙しい中ではありますが、内定者に何を伝えてほしいか、どのように振る舞ってほしいかなど、事前に共有することで内定者懇親会の質を向上することができます。

内定者・参加社員のグルーピングは慎重に

内定者・参加社員のグルーピングも内定者懇親会の成否を分けるポイントです。
あまりにも性格が違うメンバーが同じグループになると、「会社に馴染めるかな?」と逆に不安が膨らんでしまう可能性もあります。
選考過程で得た情報をもとに、馴染みやすいメンバー同士を集めるなど意識しながらグループ分けを行いましょう。

開催回数は複数回がベター

内定者は入社するまで常に不安を抱えています。
内定者懇親会を複数回実施し、内定者の不安を和らげるとともに、入社後に活躍できるイメージを持たせ、内定辞退を防ぎましょう。

まとめ

令和時代の内定者懇親会はオンラインとオフラインを上手に使い分けることが大切です。
コロナ禍だからこそ、学生はいつも以上に多くの不安を抱えています。
内定者懇親会を通じて、内定者たちの不安解消に努めていきましょう。

また、オフラインで内定者懇親会を行う場合は、十分に感染対策を行い、出来る限り短時間で終えるようにプログラムを工夫してみて下さい。