社内コミュニケーションとは

コミュニケーションをとる社員

社内コミュニケーションとは、 上司と部下や同僚間で日常的に行われる会話や情報共有を指します。
社内コミュニケーションの方法は必ずしも対面のみに限られず、電話やメール、チャット、SNS上のやり取りやメモ書き・手紙、書類上のやり取り、Web会議など様々です。

日々のコミュニケーションを通して、社内のメンバーが双方に感情や価値観、仕事観や業務に関する情報共有を行うことで、企業活動が円滑に進んでいきます。

社内コミュニケーションが注目される背景や、コミュニケーション活性化によるメリットなどは、こちらの記事でご確認ください。

社内コミュニケーション不足により生じる課題13選

コミュニケーション不足によって起こる課題

社内コミュニケーションは企業活動において重要と考えられている一方で、社内コミュニケーションに課題を抱えたまま具体的なアクションがとれない企業も多いです。
まずは、社内コミュニケーション不足によって引き起こされる課題を振り返り、自社はどのような状態にあるのか一緒に確認してみましょう。

1.精神的ストレスが増加する

社内コミュニケーションがうまくいかないと、社員の精神的なストレスが増加する課題が発生します。
HR総研の調査によると、精神的なストレスが増加するのが課題と答えた実数は、前年調査より20ポイント近く上昇しています。

2.従業員のモチベーション低下

社内コミュニケーションが不足していると、従業員の働くモチベーションやエンゲージメントが低下するリスクがあります。
同僚間、上司と部下間、同期同士などで適切なコミュニケーションが生まれなければ、帰属意識も下がり、徐々にやる気が低下していくのです。
コミュニケーション不足によるモチベーション低下の課題も、前年度調査より数値が上がっています。

3.人材が育たない

社内コミュニケーションが不足していると、伝えるべき技術やスキル、知識の伝承ができない課題が生まれます。
新入社員に対しての育成、中途社員に対するオンボーディングなど、積極的な社内コミュニケーションを実施しないと人が育たず事業売上にも悪影響を及ぼします。

4.離職の防止ができない

社内コミュニケーションが不足していると、仕事の悩みや質問を相談できなくなるため、従業員が一人で悩みを抱え込みがちになる傾向があります。
仕事で悩んだとき、適切なタイミングで上司や先輩に相談ができなかった結果、離職を選択するケースは少なくありません。
社内コミュニケーションが取れていない職場では、「びっくり退職」も増加し、離職率が上がってしまう課題があります。

5.自然な雑談が生まれず信頼関係が構築できない

社内コミュニケーションが活性化していない職場では、仕事以外の雑談が生まれず、社員同士の信頼関係の構築に悪影響を及ぼします。
社内コミュニケーションがとれていると思っていても、実は機械的な業務報告のやり取りしかできていない企業は注意が必要です。
また、1on1はやっているけど、話が膨らまず雑談がほとんどない場合は、社内コミュニケーションが活性化されているとは言えないでしょう。

6.チームワークが発揮されない

社内コミュニケーション不足の職場では、互いの能力を引き出しあい、サポートしあうことが苦手なため、チームワークが発揮できない課題があります。

従業員の個々のスキルは高いにもかかわらず、いまいち業績がついてきていない企業は、社内コミュニケーションに課題があると疑ったほうがいいかもしれません。

7.業務中に気軽な相談や質問ができず業務が進まない

社内コミュニケーション不足の職場では、業務中に気軽な相談や質問ができず困っているという課題があります。
コミュニケーションのとりづらい環境、コミュニケーションをとる以前の人間関係の問題など、理由は様々です。
業務中に誰にも相談ができなければ、業務が滞ってしまったり、重大なミスをおかしたりするリスクもあるでしょう。

8.連携不足によってミスが増加する

社内コミュニケーションがうまくいっていない企業は、とくに部門間や、経営層と社員間で連携不足を感じています。
部門間でコミュニケーションが不足してしまうと、業務の進捗が遅れたり、大きなトラブルにつながったりする可能性も高いでしょう。
小さなことでもすぐに報告、共有できる環境が整っていなければ、ミスが増加して企業活動を停滞させます。

9.経営層と現場、上司と部下間などで意識の差が生まれる

社内コミュニケーションがとれていないと、企業がこれから目指すべき方向性が統一できなくなる恐れがあります。
経営層がいくら素晴らしい理念を掲げていても、現場社員の悩みや苦言が経営層に伝わらなければ、意識の差から亀裂が入り、やがて組織は崩壊するでしょう。
社内の一部だけでコミュニケーションがとれていればOKではなく、上司と部下間、部門間、経営層と現場間など、どの関係性においてもコミュニケーションが活性化されている状態を目指しましょう。

10.クレームや注意点などの必ず共有すべき事項が伝わらない

社内コミュニケーションがとれていないと、顧客から入ったクレームや、業務遂行に関わる最新の注意情報などが共有されず、大きなトラブルに起きる可能性もあります。
共有すべきことが、いつも共有されておらず課題だと感じている企業は、社内コミュニケーションの仕組みや実態をよく観察すると良いでしょう。

11.仕事の進め方が属人的になり企業内にノウハウが積みあがらない

社内コミュニケーションが活性化されていないと、仕事が属人化するという課題があります。
従業員ごとの成功体験、失敗体験は、リアルタイムで日々共有していくことで、社内ナレッジが積みあがります。
様々なナレッジ、ノウハウが蓄積されなければ、企業価値が高まらず市場で戦えなくなってしまうでしょう。

12.コンプライアンス違反や不正を抑制しづらい

社内コミュニケーションが不足していると、従業員個別の動きが把握しづらくなり、コンプライアンス違反や不正者を野放しにしてしまう可能性があります。
不正が横行する企業は、社員同士の信頼関係が希薄でコミュニケーションがとれていないケースが多いです。
なぜ不正がダメなのか、どういった言動がコンプライアンス違反になるのかなど、正しい情報を伝達し合うコミュニケーション体制を構築すべきでしょう。

13.新規事業やイノベーションが生まれづらくなる

社内コミュニケーションが不足してしまうと、新規事業の立ち上げ時にアイデアが生まれづらくなり、イノベーションを起こすのも難しいという課題があります。
多くのイノベーションは、何気ない社員同士の雑談や、ジャストアイデアから生まれるものです。
新たな発想でビジネスを仕掛けたい企業こそ、社内コミュニケーションの活性化に注力すべきではないでしょうか。

企業規模別|社内コミュニケーションでもっとも課題を感じる関係間は?

コミュニケーションに課題を感じる企業

社内コミュニケーションによる課題は、誰と誰の間でとくに感じやすいのでしょうか?
HR総研がコロナ禍に実施した、2021年度版の調査をもとに考えてみましょう。

企業規模別の課題を感じる関係間

出典:社内コミュニケーションに関するアンケート2021 結果報告 / HR総研

300名以下(小規模企業)

1位:経営層と社員間
2位:部門間
3位:部署内の課長とメンバー間

301名~1000名(中堅企業)

1位:経営層と社員間
2位:部門間
3位:事業所間/部署内のメンバー同士

1001名以上(大企業)

1位:部門間/部署内のメンバー同士
2位:経営層と社員間
3位:部署内の課長とメンバー間

この調査を見てみると、企業規模に関わらず「部門間」「経営層と社員間」で、課題を感じやすいことがわかります。
一方で、コロナ禍でテレワーク中の社員とオフィス勤務をしている社員の間や、年代間での課題はそれほど懸念視されていない点が特徴となりました。
正規、非正規社員など雇用形態別で問題視されることも少なく、社内コミュニケーション不全は「部門間」「経営層と社員間」などに突出して影響をもたらすことがわかります。

社内コミュニケーションが阻害される要因

阻害される社内コミュニケーション

社内コミュニケーションを阻害する要因の1位は、「組織風土や社風」と言われています。

出典:社内コミュニケーションに関する調査」結果報告 / HR総研


社内コミュニケーションが大事と頭ではわかっていても、「声を上げづらい雰囲気」「上司が話を聞いてくれない風土だから」など、組織体質そのものが社内コミュニケーションを阻害しているケースは多いです。

また、新型コロナウイルスや働き方改革の影響で、対面コミュニケーションが減少し、新たなオンラインコミュニケーションの方法にキャッチアップができず悩んでいる企業もいます。
オンラインコミュニケーション下では、コミュニケーションスキルそのものが低下していると危惧している人も多く、これらの阻害要因は一つずつ対処をしていく必要があるでしょう。

社内コミュニケーションが進まない理由は、次の記事でも詳しくご紹介しています。

社内コミュニケーションの課題を解決するコツ

コミュニケーションの課題が解決された社内

社内コミュニケーションを活性化させるための施策として、社内報や社内SNS、1on1などが人気です。
しかし、本当にそれらの施策を実践するだけで、社内コミュニケーションの課題は解決できるのでしょうか?
いきなり施策に取り掛かるのではなく、社内コミュニケーションの課題解決のコツを確認してみましょう。

1. 自社の課題を正しく言語化する

企業で人事施策などに取り組む際は、必ず正しい現状把握を実施することが重要です。

  • 自社は今、何に一番悩んでいるのか
  • 現場の社員からどのような声があがってきているのか
  • 顧客や市場から、どういった評価を受けているのか
  • 経営層は今の現状をどう解釈しているか
  • 今後、企業はどういう方向で進んでいくべきか
  • 今後の方針を阻害する課題は何なのか

課題整理、現状把握の際は、必ず複数名の意見を参考にすることがコツです。
経営層や人事部だけなど、限定された人で話を進めてしまうと、個人のバイアスが入り正しい現状把握が難しくなります。
場合によっては、外部のコンサルティング会社などに相談して、多様な視点から企業実態を把握しましょう。

2. 社内コミュニケーションの目標を決める

社内コミュニケーションの課題を理解できたら、社内コミュニケーションの課題に取り組む目標を定めるようにしましょう。
目標が「社内コミュニケーションを活性化させる」だけでは抽象度が高く、効果的に取り組むことができません。

社内コミュニケーションの目標の決め方や注意点は、下記記事を参照してください。

3. 従業員に繰り返し伝えて巻き込む

社内コミュニケーションの課題解決をするための3つ目のコツは、従業員に繰り返し伝え、現場を巻き込むことです。
社内コミュニケーションは、企業全体に関わるテーマのため、一部の従業員だけが努力しても意味がありません。

また、日常業務に加えて社内コミュニケーションに関する施策を実施する場合、「忙しいのに面倒くさいな」と感じる人もゼロではないでしょう。
なぜ社内コミュニケーションに取り組むのか、社内コミュニケーション不足でどんな課題があるのかなど、丁寧に説明し、従業員の理解と協力を得るようにしましょう。

まとめ

活発なコミュニケーションが生まれる社内

社内コミュニケーションがうまく活性化されないと、人が育たなかったり、業務上のトラブルを引き起こしたりするなど、様々な課題が生まれることがわかりました。
自社の現状を正しく見つめ直し、社内コミュニケーションの活性化に関する目標を定めて、一つずつ改善していきましょう。

なお、より具体的な社内コミュニケーション活性化の方法や、施策例が知りたい方は次の記事をあわせてご覧ください。