心理的安全性の不足でありがちな「4つの不安」とは?

心理的安全性の不足

他者からの反応に怯えたり、羞恥心を感じたりすることなく、自然体の自分をさらけ出すことができる状態を、「心理的安全性が高い」状態と言います。

「心理的安全性」という言葉は、グーグル社が2015年に発表した生産性の高いチーム作りに関する研修結果の発表により、広く認知され、また重要視されるようになりました。

また、この心理的安全性が不足することで4つの不安が生まれると、心理的安全性という言葉を生み出したエドモンドソン教授が発表しています。

一体、どんな不安が生まれるのでしょうか?

「無知」と思われる不安

まず1つ目は「無知」と思われる不安です。
「わからない」ということに羞恥心を持ち、メンバーに質問をするということができない環境では、不明点を質問すると「こんなことも知らないのか」と思われてしまうかもしれないという不安が生まれます。

不明なことがあるまま業務を進めることで大きなアクシデントを引き起こす可能性や、不安を抱く本人も、働きづらい環境だと思うようになるでしょう。

「無能」と思われる不安

ありのままをさらけ出すことのできない環境で生まれる2つ目は、「この人は仕事ができない」と思われてしまうのではないかという不安です。

この不安を抱くと、「無知」と思われるかもしれない不安を抱いている時と同じように、不明点の質問ができないだけでなく、ミスを認めなかったり、ミスをしても報告をしなかったりということが起こる可能性が考えられます。

そして、ミスをすることに大きな不安を抱き、チャレンジをしない、イノベーションを起こさないという可能性もあります。

「邪魔をしている」と思われる不安

3つ目は「自分の行動や発言がメンバーの邪魔をしているのではないか」という不安です。

心理的安全性が低い環境では、発言や何かしらのアクションをした後、「私の意見せいで議論が進んでいないのではないか」「メンバーに嫌われているかもしれない」と思ってしまうのです。

そうなることで発言をすることや、異論を唱えること、積極的に行動に移すことが億劫になってしまいます。

「ネガティブ」と思われる不安

最後は「自分はネガティブな人だと思われるのではないか」という不安です。

異論を唱えることはネガティブなことではなく、物事を発展させたり、ブラッシュアップをしていく際には重要な意味を持ちます。
しかし「ネガティブな人だと思われたらどうしよう」という不安は、メンバーと異なる意見や、反対意見を発することを躊躇させるようになります。

4つの不安を抱くことで人は自分を偽り始める

これらの4つの不安が生まれることで、自己呈示行動や自己印象操作を行い、自分を偽ることで自身を守るようになります。

この4つの不安が生まれると、さらに自然体の自分をさらけ出すことが難しくなってしまうのです。
そうなると、本人はさらに働きにくくなったり、居心地の悪い環境だと思ったりするだけでなく、業務にも支障をきたすようなミスの発生や、イノベーションを起こす機会の損失にも繋がり、チームにも大きなデメリットとなります。

心理的安全性の高い組織の特徴や方法は?詳しくはこちらへ

心理的安全性の高い状態の作り方

心理的安全性の高い状態

それでは、心理的安全性の高い状態はどのようにすれば作れるのでしょうか?
心理的安全性の高い状態の作り方を3つご紹介していきます。

お互いの存在を承認・尊重する

お互いの存在を認め合える関係性を作るようにしましょう。
人はそれぞれ価値観や、考え方が違うものです。
自分と違う価値観や意見を否定するのではなく、一度受け止めることが大切です。

その人が今思っていることや悩んでいること、パーソナリティ、得意・不得意をメンバーは理解し、尊重することで風通しのいいコミュニケーションが生まれます。

具体例・方法

上司は、1 on 1などのミーティングなど、1人1人の個性や、今思っていることなどを深く知るための時間を設けてください。

また上司だけでなく、メンバー1人1人が仲間の考えやパーソナリティを知ることも大切です。
メンバー同士の相互理解を深めるために、ランチ会や懇親会など、仕事以外の話も行えるカジュアルな機会を設けるといいでしょう。

そして、ただ知るだけでなく、受け止めることが重要になります。
その人の個性や、思っていること、将来に対するビジョンなどを否定してはいけません。

話しやすい雰囲気を作る

話しやすい雰囲気や、質問しやすい雰囲気を作りましょう。
発言のハードルを下げることがポイントです。
どんな些細なことでも、発言しやすい環境になるといいでしょう。

発言することに不安を感じる環境では、重要となる意見が出て来なくなったり、メンバー間の情報の共有や、コミュニケーションが少なくなったりします。

具体例・方法

上司は、会議の時に1人1人に意見を求めるなど、平等に発言できるようにしましょう。
そして、聞き手は「なるほど」と相槌を打ったり、うなずいたり、話を聞いていることや、理解し考えを受け入れていることを伝えてください。

また、話しやすい環境を作るには、普段のメンバー同士の関係性も大切になってきます。
お互いの存在を承認・尊重するための方法と同じように、ランチ会や懇親会など、カジュアルなコミュニケーションを通して関係性を構築してください。

そして、会議の際と同様、受け止める側の行動も重要です。
「話しても無駄」「どうせ否定される」と思ってしまう環境では、意見を求めたり、話す機会を設けたりしたとしても、本音を話さなくなります。
どんな意見でも受けとめてくれるという安心感が、話しやすい雰囲気をつくるためにはとても重要なのです。

相手への感謝・受け入れる姿勢を示す

相手へ感謝の気持ちを持ち、そして、相手を受け入れる姿勢を持ちましょう。
競争するよりも、協力するカルチャーを作り出すようにしてください。

心理的安全性が低い環境では、ミスをするリスクを回避するため挑戦をしなくなります。
しかし、失敗しても仲間が助けてくれる、受け入れてくれると思うことで、チャレンジしやすく、イノベーションも起こりやすい環境となります。

また、感謝の気持ちを持つことは、感謝することでチームやメンバーに愛着を持つようになるだけでなく、感謝される側のモチベーションも上がり、さらにチームに貢献したいと思うようになります。

具体例・方法

会議の前にアイスブレイクとして、1人1人、メンバーに助けられ感謝していることや、すごいなと思ったことなどをシェアするのがおすすめです。
どんな些細なことでも構いません。

また、メンバーの失敗を責めたり、笑ったりするようなことはやめてください。
もし、何かにチャレンジして失敗した場合、周りが行うことは、責めたり笑ったりすることでなく、改善方法や次のアクション、今できることを共に考えることです。

注意・指摘もできる関係性へ

相手を知り、受け止め、尊重することが大切だとお伝えしてきましたが、これらの行動は、ただ仲のいいチームや、馴れ合いの関係を作ることが目的ではありません。

心理的安全性を高める目的はあくまでも、生産性の高いチームを作ること。
生産性を高めるためには、注意や指摘をわだかまりなく行えたり、議論も建設的に進行できたりすることが必要になります。

そのために相手を知り、受け止め、尊重することが大切であり、ただ、仲のいいチームを作るだけでは意味がありません。
注意や指摘、議論もできる関係性を目指しましょう。

心理的安全性がもたらす効果・メリット

心理的安全性のメリット

先ほどご紹介したような、心理的安全性を高める取り組みをしたことで、得られる効果やメリットは以下のようなものとなります。

集中力アップ・パフォーマンス向上に繋がる

人間関係に不安を抱いたり、必要以上に気遣いをしたりしなくていいので、仕事に集中しやすい環境になります。
メンバーの集中力はアップし、パフォーマンスの向上に繋がります。
風通しのいいコミュニティであることは、生産性の高いチームの大きな特徴です。

情報交換が増えチームの知識量が増える

発言のハードルがさがり、コミュニケーションが活発になることで情報交換の機会が増え、チーム全体の知識量も増えます。
お互いの得意分野の知識をシェアすることで、それが掛け合わされ想像以上のアイディア・結果が生まれることも。

また、どんな些細なことでも共有することで、何気ない会話から、思いがけないアイディアを得られる可能性もあります。

多様な価値観からイノベーションが起こりやすくなる

受け入れる姿勢を示すということは、多様な価値観があることを認めるということ。
様々な意見が出ることにより、イノベーションが起こりやすくなります。

また、心理的安全性の高い環境では、例え失敗しても協力してくれる仲間がいると思え、イノベーションを起こしたり、チャレンジしたりすることに、不安を感じなくなります。

1人の責任感・関心度がアップする

心理的安全性が高まることで、このチーム・環境はありのままでいて大丈夫だと感じるようになります。
そうなると、その環境へのストレスが減り、さらに積極的に組織・チームに関与するようになります。
そして、チームに対する1人1人の責任感や、チームで起こった物事への関心度もアップするのです。

集団思考に陥るのを防ぐ

心理的安全性が高いチームでは、多様な価値観を受け入れるため、反対意見も歓迎されます。
1人1人がしっかり意見を持つようになり、集団思考になることを防ぐことができるのです。

合理的でない決定や、危険な意思決定が認められることがなくなり、さまざまな角度から物事を見た上で、最適な答えを導き出せる確率が高まるでしょう。

Googleが実践するゲーム型研修

Googleのゲーム型研修

心理的安全性の重要性を唱えているGoogle社は、ゲーム型の研修を取り入れ、心理的安全性の高いチーム作りを行なっています。
ここからは、心理的安全性を高めるためのゲーム型の研修についてご紹介していきます。

心理的な安全性を高める「ベストチーム」

「ベストチーム」とは心理的安全性について知り、そして、それを高めて行くためのゲームです。

「褒める文化」や「細かな指示」と書かれた全22種類ある「行動カード」を各チームに数枚ずつ配布します。
その「行動カード」を指定された枚数集めるゲームです。
指定枚数を集めることに達成すると、ポイントが加算される「得点カード」を得ることができます。

他のチームはどんなカードを持っているのかを、メンバー同士で協力し情報収集をしてください。
そして、ゲットしたいカードを持つチームに、手持ちのカードとの交換を交渉します。
この際、お互いにメリットのある交換でないと、交渉は成立しません。

「得点カード」には、業績ポイントと、関係性ポイントが記載されており、業績はポイントアップしたけれど、関係性ポイントはマイナスになる、ということも。
業績もメンバーとの関係性も、両方をバランスよくアップさせて行くことを目指しましょう。

ゲーム後の振り返りと解説

ゲームが終わったあとは、結果を見ながら振り返りと解説を行います。

カードに書かれている行動のうち、できたこととできなかったこと、業績をあげるために関係性がないがしろになっていなかったか、関係性を重視するあまり業績をあげることができなかったのではないか、などを話し合います。

これらの振り返りを行いながら、心理的安全性についての理解も深めていきます。

こんなゲーム・ワークもおすすめ

それでは、ベストチーム以外におすすめの、心理的安全性を高めるためのワークやゲームをご紹介します。

オンライン焚き火

焚き火は、リラックス効果や癒し効果があると言われています。
焚き火を見ていると不思議と本音を話せてしまうのです。

オンライン焚き火は、画面に焚き火を映し出しそれを見ながらトークをします。
自分の姿は画面に映し出さずOFFで大丈夫です。

悩んでいることや、普段思っていることなどを腹を割り話すことで、メンバー同士の深い相互理解に繋がります。

マインドフルネス

瞑想をもとに、マサチューセッツ工科大学が宗教的要素を除いて開発したストレス軽減法であるマインドフルネス。
科学的な効果も認められ、Google、Apple、Facebookでも採用されています。

自分の深い部分と向き合い、それをシェアすることで深い相互理解を得られます。

感謝感激雨あられ

ZOOMのチャット機能を使ったワークです。
普段恥ずかしくて言えない感謝の気持ちを、チャットで相手に届けます。

30分という短時間で実施ができ、感謝の気持ちを伝え合うカルチャーを創出したい組織におすすめのワークです。

「バヅクリ」で実施可能!

バヅクリのサイト
出典:バヅクリ

ご紹介した3つのワークやゲームは、プレイライフ株式会社が運営するチームビルディングサービス・バヅクリにてオンラインで実施が可能です。

バヅクリを利用することで、新型コロナウイルスの流行下でも、心理的安全性の高いチームを目指したチームビルディングのためのワークを行うことができます。

講師は全てプロが務め、マインドフルネスでは現役のお坊さんのレクチャーを受けることが可能。
その他にも、多種多様なメンバーの相互理解を深め、心理的安全性を高められる講座が用意されています。

その多くは、体験型、参加型のもので、楽しみながらメンバーの関係を構築していくことができます。

料金:165,000円〜

バヅクリの講座の種類・内容について詳しくはこちらへ

まとめ


心理的安全性の高いチームは、

  • 多様な価値観や意見を受け入れ尊重する
  • 協力するカルチャーがある

などの特徴がありますが、決して馴れ合いの関係性というわけではありません。
生産性の高いチームでいるためには、時には反対意見を言わなくてはいけないこともありますし、それを受け止めなくてはいけないことも。

ぜひ今回ご紹介した方法やワークを参考に、生産性が高く、わだかまりなく指摘や注意もできる心理的安全性の高いチームを目指してください。